電磁波機器の影響と私たちの暮らし

現代の生活において、電磁波を発生させる機器は身近にあふれています。その利便性は私たちの暮らしを快適にする一方で、健康に与える影響についての議論も続いています。特に、子どもたちへの影響は見逃せない問題です。今回は、身近な電化製品や電子機器が発する電磁波の特徴とその対策について解説します。

電磁波を発生させる機器の実態

電子レンジやIHクッキングヒーターが高い電磁波を発する機器として広く知られていますが、これら以外にも私たちの生活に潜む電磁波発生源は数多くあります。

例えば、ホットカーペットは約300ミリガウス（mG）の電磁波を放出すると言われています。また、リニアモーターカーに乗車すると、一度に約10,000mGの電磁波を浴びることになるとされています。これらの数値を考慮すると、私たちは日常的に高い電磁波環境にさらされている可能性があると言えるでしょう。

スマートフォンとパソコンの電磁波

《携帯電話（スマートフォン）》

スマートフォンは通信や充電時に電磁波を発生させます。特に充電中は、電磁波の強度が高まることが確認されています。ある調査では、通話中や充電中に電磁波の強度が大幅に増加し、近くで使用するほど影響を受けやすいことがわかっています。

• 非充電時の操作：電界強度や磁界強度は通常レベル。

• 充電中の操作：電界強度や磁界強度が増加するため、充電中の使用は控えることが推奨されます。

《ノートパソコン》

ノートパソコンも充電中と非充電中で電磁波の発生量が異なります。

• コンセント接続時：電磁波が強く、電界強度が最大200V/m、磁界強度が0.8μTに達する例があります。

• バッテリー駆動時：電磁波の強度は低下し、電界強度が最大50V/m、磁界強度が0.5μT程度とされています。

これらのことから、充電中は電磁波が増加する傾向があるため、距離を取ることが重要です。

なぜ電磁波が問題視されるのか？

電磁波が人体に与える影響については、多くの研究が進められています。有名な調査結果のひとつに、電磁波の強度が1mGから4mGに上昇するだけで、以下のリスクが増加するというものがあります。

• 脳腫瘍：10.6倍

• 白血病：4.7倍

さらに、高圧線の近くに住む人々の自殺率が統計上4倍に増加するというデータもあります。これらの研究が示す通り、電磁波と健康リスクとの関連性は無視できない問題となっています。

家庭内における電磁波対策

家庭内の電磁波について意識することも重要です。近年では、ブラウン管テレビに比べて液晶テレビやプラズマテレビの電磁波の強度は低下していますが、それでもプラズマテレビは近距離で約50mGの電磁波を測定することがあります。テレビの視聴においては、適切な距離を保つことが一つの対策となるでしょう。

また、屋内配線から発生する電場についても注意が必要です。建物内を通る配線は、壁面や床面に隠れているため見落としがちですが、これらも電磁波の発生源となり得ます。化学物質や電磁波に敏感な方は、家を建てる際にこれらを考慮した設計を取り入れることが推奨されます。

電磁波との付き合い方

電磁波は、私たちの生活を便利にする電化製品の使用に伴い避けられない存在です。しかし、その影響を最小限に抑える努力は可能です。例えば、以下のような工夫を取り入れることができます。

• 高電磁波を発する機器の使用を最小限に抑える

• 電化製品から一定の距離を保つ

• 充電中の使用を控える

• 配線の見直しや電磁波を低減する住宅設計を検討する

特に、健康上の問題を抱える方や敏感な体質の方は、これらの対策を意識することが必要です。

結論

私たちの暮らしに欠かせない電化製品が発する電磁波。その利便性を享受しつつも、その潜在的なリスクについて知識を深め、適切な対策を講じることが重要です。子どもたちを含む家族全員の健康を守るために、電磁波と上手に向き合い、日常生活に取り入れる電化製品の使用方法を見直してみてはいかがでしょうか。